プロジェクト紹介

北大阪急行電鉄南北線延伸事業

本事業は北大阪急行電鉄の終端駅である千里中央駅から北へ約2.5km延伸し、中間駅として箕面船場阪大前駅、新たな終端駅として箕面萱野駅の2駅を新設するプロジェクトです。
阪急設計コンサルタントは、全線の予備検討にはじまり、概略設計と千里中央駅~箕面船場阪大前駅間の新千里北換気所を含むシールドトンネル全区間の詳細設計を都市土木部、箕面船場阪大前駅と箕面萱野駅の設備を建築設計部、および全線の電気施設を電気部が担当しました。さらに工事着手後はそれぞれの担当の工事監理も実施しました。

シールドトンネル完成状況

シールドトンネル完成状況

限られた工期の中で、
最大限に高品質で経済的で安心安全な設計

土木設計において、工事費の削減が大きな課題となりました。そこで、シールドについてはトンネル内に設置する各種機器の配置を考慮して、できる限りトンネル径の縮小を図りました。また、シールドトンネル直近に位置する高層建築物への振動低減のため、関西では初めての採用となるコイルばね防振軌道の設計を行っています。

コイルばね防振軌道完成状況

コイルばね防振軌道完成状況

近接構造物への慎重な施工が求められる工事で、
的確な工事監理と輻輳する工事の調整

2019年9月に箕面船場阪大前駅から発進した延長約1.2kmのシールドマシン掘進においては2022年5月に無事千里中央駅に到達することができました。本工事では、千里中央駅到達部に駅建設工事で使用された仮設土留め杭が残置されていたことが着工後に判明し、その障害物の撤去が必要になりました。また、鉄道計画路線上において複数の民間建築物が既に供用されており、それらの建築物に対して構造上の影響を及ぼすことなく掘進を完了させるため、高精度の掘進管理が求められましたが、厳格な工事監理によりシールド掘進を無事完遂しました。シールドマシン到達後は、列車の振動を軽減する「コイルばね防振軌道」等の軌道工事の監理やトンネル内の狭隘な現場において輻輳する各担当工事(土木、建築・設備、電気)間の工事調整を行いました。そして、供用開始に向けて、建築限界測定車を走らせた検査や構造物の出来形検査によって安全確認も行い、開業に備えました。

電気設備工事との競合状況

電気設備工事との競合状況

地域と調和するデザイン

建築設計において、箕面船場阪大前駅は繊維卸商が集まる地域に劇場・大学・図書館・マンションが建設されることによって発展していく新しい街をイメージし、膜天井やエキスパンドメタルを用い「『繊維のまち』と『新しいまち』 その玄関口となる駅」をコンセプトに活気ある駅となるようデザインしました。
ホーム天井に膜素材を用いた例は少なく納まりには苦労しましたが、各種媒体にも取り上げられ、チャレンジした甲斐がありました。

箕面船場阪大前駅の完成状況

箕面船場阪大前駅の完成状況

箕面萱野駅は緑豊かな周辺と調和するように、木目調のルーバーやレンガを採用し「箕面の自然」を表現したデザインとしました。ホームの外装・上屋と駅舎部とは別施工だったため工程調整に大変苦労しました。配置計画では1階改札を入った正面にエレベーターを配置することで、分かり易いバリアフリー動線となるようプランニングしました。今後のまちの発展と共に周辺住民に愛される駅舎になってくれることを願います。

箕面萱野駅の完成状況

箕面萱野駅の完成状況

新設する地下変電所に関する設計上の配慮

今回の事業では、信号・電車線路等に代表される各種鉄道電気設備を延伸区間内に新設しました。その中でも、箕面船場阪大前駅構内への「新箕面変電所新設」においては、地下に設置する変電所特有の設計上の配慮(消防法対応、変電所内の湿気対策等)を行った他、施工面でも、仮設の搬出入口の使用可能時期を踏まえた柔軟な工程対応(通常と比べて機器搬入時期を前倒し等)をとる等、様々な工夫により事業スケジュールの順守に努めました。

新箕面変電所の完成状況 新箕面変電所の完成状況

新箕面変電所の完成状況

本プロジェクトでの経験を通して、さらなる技術の向上を。

2012年度の予備検討、調査・計画から始まり、詳細設計、現場からのフィードバックと、大きなプロジェクトの一連のプロセスの中で大小さまざまな経験や知見を得てきた阪急設計コンサルタント。今後の業務に対してそれらを活かせるよう取り組むとともに、さらなる技術力の向上に努めます。

日建連表彰「土木賞」の受賞

本シールドトンネル区間シールドトンネル直上の建築物に対して、事前の影響検討や変位抑制対策、掘進中の監理などに対して発注者と当社の設計や工事監理、施工会社との連携により施工を進めたことによって、建築物に影響を及ぼすことなくトンネル構築を完了しました。この点を評価いただき、「一般社団法人日本建設業連合会の日建連表彰※第4回土木賞」を受賞することができました。 (※)日建連表彰 土木賞の選考は、プロジェクト・構造物の事業企画、計画・設計、施工、環境及び維持管理等に関する総合評価に基づいて行うものとする。この際、施工プロセスの視点(施工プロセスの改善、良質な社会資本の効率的創出、土木技術の発展・伝承など)を重視する。(日建連表彰 土木賞 選考基準 (選考の基本方針)から抜粋)